OK!工事くん 今日もセールスマンのお話しです。
飛び込み営業マン 俄然やる気がでるのは能力主義で働く完全歩合の世界。
42年前の話です。学校を卒業後、金融機関で勤めた時の初任給が7万3円。
それから10年29歳で転職、飛び込みセールスの世界に入り初めていただいたお給料が手取り
48万円ぐらいだったと思います。
入社後20日足らずの日数で稼いだ給料です。
19万8千円の太陽熱温水器を18本販売しました。1契約3万3千円の歩合。
サービス品や税金などが引かれた手取りの金額です。
今の時代のように銀行への給与振り込みではありません。
末締めの翌月20日支給、給与が支払われる日の夜はいつもより早く営業マンは事務所に集まります。
それでも商談が終わってからの集まりですから夜の11時頃です。
管理者がその後一人一人に現金の入った封筒を手渡していきます。
全員が自分の机に戻りその場で封筒の口を切り万円札を数えていきます。
品格も品性もない事務所の雰囲気です。
間違いはないのかと小銭迄確認していく者。
ある営業マンは笑みこぼしながら封筒を縦に机の上に立てるのでです。
1ケ月間の戦った戦果が自分の生きた証のようにそこにある。
私はと言えば封筒をあける勇気もなく、ただ手に握った紙の厚みが確かにこの手の中にあると実感したまま、
ほのかな感動を感じていました。
早く家に帰りたい! この気持ちを待っている家内と分かち合いたいと思いながら、
急いで自宅に帰った事を覚えています。
深夜1時ごろ遅い夕食膳の前で給与袋を置き、二人で見つめていると「家内が言います。いくら入っているの?」わからんと私。私は封を切って読み始めました。
1枚2枚3枚と読んでいきます。数えて48万と・・いくら。 そのあとの沈黙。
その給与袋を仏壇の前に置き二人で手を合わせ感謝した事をいまだに覚えています。
結局はそのお金は使わずに全額定期預金にしてしまいました。
10年間のサラリーマン生活のなかでノルマを達成しても何も変わらなかった人生。
評価されていくのに時間がかかるサラリーマン生活。
いつしか私は羊のような心になっていました。
群れていると安心感があるのです。ノルマを達成しても達成しなくても給与は貰える。
ぬるま湯体質から抜け出せない歯がゆい自分がいた事を。
家内と二人共稼ぎをしていけば小さな幸せを手に入れる事はできた。
しかし男としては面白くない人生。
それと比べれば第2の人生はリアルな世界。 弱肉強食の世界。
売っていく人間がトップに立つ。
リ-ダ-は売る人間でないと説得力がない。給与日に万円札を数える風景。
私はこの夜、この会社で必ずトップになってやろうと決心しました。
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