飛び込み営業マン 執念で売る義足の男。

セ-ルスマンシップ
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OK!工事くん 今日も飛び込みセールスマンのお話しです。

 

飛び込み営業マン 執念で売る義足の男。
私が若かった頃のお話です。
まだ和歌山支社に勤務していた頃、夜9時過ぎに契約が上がった報告を支社長にするといきなり異動が決まったから早く事務所に戻ってくるようにと言われました。
事務所に着くなり支社長は悪いが明日松山支社に異動してほしい、
それも翌朝の朝礼に間に合わせてくれと強引な話です。
創業間もない会社は常に社員の気持ちを試しにきます。急な転勤異動は常に覚悟せねばなりません。
考える間もなく深夜家に帰り身支度を早々に済ませ翌朝伊丹空港から松山へと移動を行いました。
松山支社へ入るなり出迎えてくれたのが石川課長補佐でした。
私が32才で彼とは一回り以上の年の差があったかと思います。
役職は私が上になりますが彼はすごく丁寧に年下の私に応対をしてくれた事を今でも覚えています。
ちょっと気になったのは顔に神経マヒの症状がありました。
口元が歪んでいたのです。
言葉も少しズレているような喋りかたです。
歩く後ろ姿を見てまた驚きました。
右足だったかと思いますが引きずって歩いていたのです。
内心これで営業ができるのかと……
朝礼で他の社員に私の事を丁寧に紹介をしていただきそのまま石川補佐についてテリトリーに向かいました。
古い住宅と農家が入り混じったテリトリーでもう一人の社員と3人でテリトリー分けを行い飛び込みセールスに入っていきました。
不安の中での初日でしたが運よく昼間から2本の契約を上げる事ができました。
夕方5時に3人は集まり。
石川補佐も1本契約があがりもう一人の社員はまだ成果が出ていません。
夜訪頑張ろうぜとお互い励まし合いながら少し車中で休憩をとろうとした時に
石川補佐が少しお見苦しいところをみせますがお許し下さいと左足のズボンの裾をめくり上げました。
えっ!  私は唖然としてしまいました。 膝辺りに包帯が巻かれてその部分が血に染まっているのです。
石川補佐は手早く包帯を新しいものに巻きなおし、何事もなかったように左足は義足なんですよと言いました。
今日は新任の課長がくるので負けられないと思い頑張りすぎたとにこやかに笑います。
肉と義足が擦れて血がでていたのです。
私は赴任した松山でその月に太陽熱温水器を月間38本売っていました。
石川補佐も25本から30本近くの数字だったと思います。
3月度は2人とも全国でベスト10入り私はトップをとりました。
しかし数字で勝ってもこのハンディを考慮すれば完全に私の負けです。
石川補佐の経歴は松山で会社経営を行っていたとの事です。
持ちビルもいくつかあったのですが経営がうまくたちいかなくなり、
20億近い借金ができ破産したと言っていました。
その時の倒産の後遺症で顔までがおかしくなってしまったと話してくれました。
その後足の事までは正直聞けなかったと思います。
後で社員から聞いた話だと交通事故が原因だとの事でした。
経営者が天国から地獄に突き落とされ家族を養う為、飛び込みセールスで生活を支えていたのです。
度重なる不幸の連続の中で石川補佐は生き抜く為に執念で飛び込み営業をしていたのです。
人間追いめられ絶体絶命だと思った時、プライドも何もかも捨てきって勝負できるんだと思わずにはいられません。
時代が令和に変わり、これから営業を志す若い人達にこういう精神論は必要ないでしょう。
しかし私は石川補佐の姿を見て本当に人間には底力があるんだなと思いました。
売れない営業マンに商品知識やトークマニュアルも必要ですが人間の持つ力はどこから生まれてくるんでしょうか……飛び込み営業マンの業界はノルマがあり職場はブラック企業ばかりと嘆くばかりではなく、一度とことん極めてみてはいかがでしょうか。見えないものが見えてくるような気がします。それは必ずあなたの血となり肉となって内面を作っていくような気がします。

コメント

  1. 木村 より:

    これは泣きます 訪問販売歴40年
    未だに辛い苦しいきつい 難しい
    何で自分はこの仕事をしているのだろう ずっと葛藤の中にいます 
    石川補佐の万分の一も苦しんで何かいない ただひたすら甘えていたんだと 思い知りました 有難いです

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