OK!工事くん 今日も飛び込みセールスマンのお話しです。
飛び込み営業マン 怪物列伝1話 システムバス売上日本一男。
ある日の面接、その男はやってきました。 と言っても27年前の話しですが。
私が大分本社で勤務をしていた当時のお話になります………
部屋に入ってきた瞬間にそいつは人とは違う雰囲気を醸し出していました。
直感的に得体のしれない男だと感じた事を今だに覚えています。
ノ-トルダムのせむし男、少し言い過ぎかなと思いますが、浅黒の顔で皺があり頬がこけ、身体は痩せています。
その雰囲気がそのような男をイメージさせます。
実際ノ-トルダムの男は知りません。あくまで私の想像です。
私に向かって言葉を発する時、下から覗くような感じて私を見上げてきます。
言葉は癖のある喋り方ですが決して人の心に土足で攻め入ってくることはしません。
弱弱しい雰囲気を作りながらも人を刺す視線を持っています。
会話もわきまえている。
引き気味の喋り口調、人の目のまなこを除きみるような感じて゛じわりじわりと人の気持ちに入ってきます。
私は好きにはなれないタイプだなと感じながら面接は続いていきます。
履歴書の経歴欄に目を移すと前職はでんでんむしのヤマヒサと記載しています。
販売実績システムバス日本一を二度獲得と記載。
内心、本当にこの男が…
当時のヤマヒサと言えばリフォームでの飛び込み営業ではかなり業界では有名でした。
サイデイングの外壁やテラスなどよく販売をしていた会社です。
そのヤマヒサで日本一を2度獲得をしている事は凄いことと言えますが、これも張ったりだろうと思いました。
営業マンは誰しも誇張な話をする習性があります。
しかし何とも言えないこの雰囲気、この男が売るのかと? 半信半疑で面接を行いました。
絈野としか覚えていません、下の名前は忘れてしまいました。
当時、私は36才絈野は44か45才ぐらいだったと思います。
独身でした。名古屋から縁があって大分へ来たと言っていました。
たぶん女だったと思いますが、それはどうでもいい話です。
絈野のプライベートな話はそれぐらいしか記憶がありません。
記憶があるのは圧倒的な販売力。
誰よりもシステムバスを販売したという強烈なインパクトです。
かなり癖のある男ですが、私は採用をする事に決めました。
当時の私はシステムバスの新規事業の立上を任されていた立場だったので売れるノウハウを持っている営業マンは喉から手が出るほど欲しかったのです。
新規事業=新人育成という大事な使命もありますが、まずは売り上げの確保が要求されてきます。
とりあえず売らしてみよう。
四の五の考えるより販売させれば結果がすぐに出るという考えです。
当時の会社は京都の製造会社和光という立派な会社からOEMの供給を受け、システムバス事業を立ち上げようとしていました。
商品は素晴らしい物で、販売価格は人造大理石0.75坪120万タイプ、1坪180万タイプ、1.25坪220万タイプの3シリーズです。 当時システムバスのリフォームはかなり高額なものでした。
これを全て飛び込み営業で販売をしていくというのです。
ヤマヒサの営業手法はクローザーとアポインターとの営業に分かれています。
私の会社はアポからクロ-ジングまで一人て゛完結させる即決手法です。
入社当初の絈野はやたらとアポインターの必要性を説いてきました。
チ-ムを組んでくれと頼み込んできます。
私は怖気づいているのか? 事業開始が迫ってくる中でプレッシャーがかかり
だんだんとメッキが剥がれてきているのかと感じながらも彼を説得しました。
企業風土の違いがあるから郷に入っては郷に従えという気持ちです。
会社はアポからクロ-ジングまで一人で全て完結しなければならない。
アポインターを頼るような集団ではないと説明をします。
自己責任追求型の営業だと説明しました。
飛び込み営業会社ではアポからクロ-ジングまで一貫している会社と
アポ取りとクロ-ジングを分けている会社とがあります。
どちらにもメリットデメリットがあるのは理解しています。
しかし、私は会社の考え方が好きでした。社長の方針でもあったのですがお金の分け前で揉めるのは好きではないという方針。
営業は自己責任です。孤独やプレッシャーに耐えて腕を磨いていく仕事です。
絈野に言いました。お前がそんなにチ-ムが必要だと言うのであればお前の日本一は少し嘘くさい話だな、人の力を借りての日本一だったのか?
チ-ムを組めば、この会社の社員であれば売る奴は何人でもいる。
甘えてはいけないと突き放しあくまで個人で売り切れとの指示をだしました。
事業開設初日、いよいよ営業開始です。初日に絈野はシステムバスを1本売りました。
翌日にまた1本売ってきます。
3日目にもまた1本契約を獲得してきました。
30万40万の価格ではありません。
200万前後の価格を全て飛び込みで契約をしてくるのです。
しかも即決です! 当然私は驚きました。
そのノウハウを知ろうとある日、絈野に同行しテリトリーに行く事になります。
朝9時に団地に到着、絈野は私にこう言います。これから100件近く訪問したいと思いますが、1時間以内の訪問で終わらせたい。
そのあと休憩を挟み午前中にもう1本(100件)、昼飯を食べて13時から
15時まで200件近く訪問したいと言いだします。
そこでアポ取がとれればよいのですがとれなければもう1本まわり、あとはアポが上がれば車で移動を行い明日のテリトリーの準備をする。
そのあと夜のクロ-ジングに備えます。何! いったいどんな訪問をするんだろう?
そんな短時間で400件も回れるのかという驚き!
聞いている話しに悶々としている中でいよいよ飛び込み訪問がスタートしました。
この続きは 怪物列伝2へと続きます。興味があれば続きを読んで下さい。
コメント