飛び込み営業マン 事務所で体験したちょっと怖いお話しです。

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雑記
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飛び込み営業マン 事務所で体験したちっょと怖いお話しです。

私が37才の頃、福島県の郡山支社に1カ月半近く

代理管理で長期出張をした時のお話しです。

急に管理者の体調が悪くなり現場管理ができなくなったとの事でした。

ピンチヒッターで大分本社から郡山支社へ代理管理に入りました。

当時、郡山支社の事務所は3Fどん突き奥のフロア-を借りていました。

普段はエレベーターを使い3Fに上がるのですが深夜は正面玄関が閉まってしまいます。

どん突き奥のフロアーから反対側まで通路を歩き

セコムの入った非常用ドアから階段で下りて帰ります。

深夜12時を過ぎるとどこのテナントも帰ってしまいます。

仕事が終わるのはいつも深夜の12時13時になります。

事務所のドアに施錠をした後、

静まりかえった通路を反対側まで歩いていきます。

赴任早々に何か嫌な予感……。

背中に鳥肌が立ち、

誰かが張り付いてついてくるような、嫌な感じを受けていました。

 

施工社員が現場から帰りミーティングを行い、

いつも帰る時間は7時~8時ごろになります。

営業は早くて10時遅いと12時回ります。

私は毎晩12時を過ぎてから帰るのが日課でした。

赴任し数日経過した頃、

夜一人の時間帯になり管理職の椅子に座りオ-ダ-報告を待っていました。

つい疲れて椅子に座ったままうたた寝をしていた時です。

薄い肌色の優しい手が私の右肩に見えました。

誰が起こしに来ているのだろうと思いつつも身体がうごきません。

先ほど帰ったはずの施工社員が向こうで楽しそうに雑談しています。

あれ? おかしいなぁ帰ったはずなのにと思いつつ身体が動かないのです。

声もでません。

気がつけば、全身金縛りになっています。

それから悶えている間にふっと我に返ったら、深夜の静かな事務所に私一人です。

あぁぁ疲れて夢を見たんだなと思いました。

その日の深夜はいつも以上に静かな通路を歩くのが

嫌になった事を覚えています。

翌日の夜また同じ事がおこりました。

そして翌々日もです。

金縛りはだんだんとひどくなり昼間の時間帯にも

眠気が襲ってきたとき金縛りになりました。

部屋に帰り夜寝る時も金縛りで身動きができなくなるなります。

深夜事務所にいると必ず右肩に手が置かれているのが感じます。

それは間違いなく女性の手でした。

誰かが事務所に入ってくる影も夢うつつの中で見えるのです。

幻覚か……

よほど自分は疲れ切っているなと感じる日々がつづいていました。

ある日、昼間事務所の壁に祭られている神棚でも

掃除をしてみるかと思い榊を買ってきました。

神棚を覗いた時です。 あれ?    写真?

1枚の写真が神棚に置かれていました。

その写真を見た瞬間、鳥肌が全身に走りました。

この女性の手だ!

と直感的に感じたのです。

悪寒するような感じて写真を手にとり

写真の裏を見たら何か書いています。

戦時中この女性は愛しい相手に自分の思いを

写真の裏に書き綴って相手に送っているのです。

戦争に行った愛しい人への思いがびっしりと書かれていました。

写真の女性は和服姿の美人でした。

本当に綺麗な女性でした。

今この記事を書きながらも顔がはっきり浮かんできます。

今この瞬間も鳥肌がたちます。

この写真の件を職場の社員に尋ねたところ退職した社員が

地元の戦争記念館からあまりにも綺麗な女性だったので

悪さをし失敬してきたとの事でした。

捨てる訳にもいかず神棚に祀ったのです。

人間としてに恥じるべき行為です。

結局はもとの場所にお返ししました。

それ以降、私の右肩に女性の手が見えることはなくなり、

金縛りに苦しむ事からも解放されました。

彼女は私の肩に触れ何を懇願しにきたのでしょうか?

 

前任者の体調が悪くなったのも……

 

いまでもあの女性の写真ははっきりと思い浮かべる事ができます。

戦時中、あの女性の思いは愛しい人に伝わったのでしようか。

ふっと時々そういう事を考えます。

 

今年も庭からクマゼミの泣き声が聞こえてきます。

セミは3週間ぐらいは泣き続けて生きるそうです。

今年の夏も熱くなりそうですが、

戦争のない時代に人生を過ごせたのは幸せとだと思いたいです。

 

 

 

 

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